株式会社猪俣会計の猪俣径也さんは、お父様が社長を務める株式会社猪俣会計で税理士として活躍中。現職に至るまでの経緯、税理士という仕事の意外性などについてうかがいました。

<プロフィール>
猪俣　径也（いのまた　みちや）さん

昭和S49年1月31日生まれ
伊勢崎市出身
伊勢崎市在住

猪俣さんの小さいころの夢は、プロ野球選手。友達に誘われて小学４年生から野球を始めたそうです。「決して上手ではなかったのですが」と言うものの、もともと体を動かすことが好きだったことと、仲間と野球をする楽しさから、中学でも野球部に所属して白球を追いかけました。

前橋高校在学中は、ラグビー部に所属。テレビ番組の影響で始めたそうですが、記憶をたどるともっと前にラグビーとの接点がありました。

猪俣さんのお父様が税理士事務所を立ち上げたのは、猪俣さんが４歳のとき。事務所と自宅は離れていたため、お父様が仕事をする様子を頻繁に目にしていたわけではありませんが、お父様が休みの日に仕事があるとき、幼かった猪俣さんも一緒に事務所について行き、テレビを見ながらお父様の仕事が終わるのを待っていたとか。
「そのとき、テレビでやっていたラグビーを真剣に見ていた記憶があります」と振り返ります。今も市内のチームに入ってラグビーを続けている猪俣さん。趣味もお仕事も、お父様の事務所が原点なのかもしれません。

大学進学時は「将来を考えて大学や学科を選択したわけではない」と話しますが、最難関と言われる早稲田大学政経学部に入学。テニスサークルの仲間と学生生活を楽しむ傍ら、アメリカに短期留学をして見聞を広めました。

就職を考えたとき、広告や宣伝に関わる仕事がしたいと思うようになった猪俣さん。広告を扱う代理店や制作に関するプロダクションではなく、「会社の宣伝部」という立場に狙いを定めました。そこで広告宣伝に力を入れている某大手の医療品・化学品メーカーに入社を決めました。

お目当ての企業への就職が決まった猪俣さん。しかし、職種は営業。しかも、配属は名古屋でした。

猪俣さんが就職した会社は、規模の割に支店数が少ないため、その分、活動エリアが広くなります。本社と違って社員数も多くない支店で、同行営業もそこそこにリストを片手に一人で得意先を回るようになりました。

得意先から「頼んでいいの？」と言われ、担当エリアではないけれど「いいんじゃないですか？」と注文を受け、後になって先輩からＮＧを出されたこともあったそうです。6年間の名古屋勤務を経て大阪に異動。さまざまなお客様に接する中で「お客様のニーズをくみ取ろうとすること、ニーズにこたえるためにはどうすればよいか？」と考え、実行するようになっていました。


経験年数も増え、会社での地位も上がり、実績も上げてきましたが「なぜか達成感がなかった」という猪俣さん。思い切って新しいことにチャレンジしよう、と34歳で伊勢崎に戻り、銀行で働くようになりました。

しかし、次第にお父様と同じ税理士の道に魅かれるようになったのです。そこで、思い切って銀行を辞め、お父様の仕事を手伝いながら大学院に通い、資格試験に挑戦。見事、合格を果たしました。

会社には、お父様だけでなく、お兄様も一緒にお勤めという仲のよい猪俣ファミリー。
「親子で仕事をするうえでのやりにくさは、特に感じない」と話します。

社会人として一般企業に勤めてさまざまな経営者に出会い、県内に戻ってからもたくさんの人との出会いがある猪俣さん。そんな経験を通じて、改めてお父様の器の大きさに気づいたそうです。豊富な知識に助けられることも少なくありません。お父様は、プライベートでも仕事の上でも猪俣さんにとって尊敬に値する人物です。

今の仕事を「想像以上に人とのコミュニケーションが多い」と話す猪俣さん。もっと淡々とした事務的なものかと思いきや、相談に乗ったり、わからないところを解説したり、人とのふれあいが多い職業だということにも気づかされたそうです。
最近では、社会保険労務士の資格も取得。税金でも社会保険でもワンストップサービスでお客様をサポートすることを目指しています。

東京・名古屋・大阪とほかの地で暮らしたのちに伊勢崎に戻った猪俣さんは、以前には感じなかった伊勢崎の良さがたくさん見えてきたそうです。
「お店でもイベントでも、他にはない良いものや良いところがいっぱいある。プロモーションを活発にして良い街であることをもっと多くの人に知ってほしい」というにっこり。自社を広くＰＲする「宣伝部」への夢が、伊勢崎で生かされるかもしれませんね！

株式会社猪俣会計

住所／伊勢崎市除ケ町67-8
TEL／0270-32-5533
事業内容／税務相談・ 節税対策・記帳代行など
営業時間／9時～17時30分
定休日／土曜、日曜、祝日
設立／昭和59年

取材日　平成25年8月