16歳で板金塗装の道に入り、28歳の時に独立をした飯島さん。起業のきっかけや、お仕事をするうえで大切にしていることなどをうかがいました。

<プロフィール>

飯島　淳（いいじま　じゅん）さん

昭和52年6月20 日生まれ

伊勢崎市出身

伊勢崎市在住

　「社会に出るなら、いずれは自分で事業を興したい」。有限会社JUN　BUNKINの飯島さんは、ずっとそう思っていたそうです。

　伊勢崎市立第二中学校を卒業した飯島さんは、市内の板金塗装会社に就職。人の手を頼らず、自分で見つけた会社だったそうです。さまざまな業種がある中、板金塗装を選んだ理由を尋ねると、腕組みをして考え込んだ飯島さん。「もう随分前のことだから…」と照れくさそうに前置きをしてから「当時は社会のことは何もわからなかったし、コレがいい、アレがいい、という強い希望も特にはなかった。でも、決して華やかではない板金塗装の世界に何か惹かれるものがあったんだと思います」と、言葉を選びながら話します。

　目に見えない何かに惹かれてこの道に入った飯島さん。入社当時は、誰もが皆、若葉マーク。すぐに仕事ができるわけではありません。もちろん飯島さんも例外ではありませんでした。先輩社員のそばで、じっと作業を見ているだけの毎日。そのときを振り返って「できない自分が悔しかった。早くできるようになりたい、とばかり思っていました」と話します。

　12年間、板金塗装の会社に勤めていた飯島さん。その間、随分、苦労もあったかと思うのですが、意外なことに「大変なことはありませんでした」とのお答え。あっと言う間だった、という会社員時代。大変、と思わずに真面目に勤めあげた飯島さんは、その間、車体整備士の資格も取得。次々とできることも増えていきました。

その飯島さんが独立をしたのは、28歳のとき。「コレ、という決め手があったわけではなかったと思います」とまたもや意外な答え。「強いて言うなら、資金、技術、モチベーションなどさまざまなタイミングが重なった。自然に（独立へ）導かれたように思います」と話します。「あ、でも何も考えていなかったのかもしれない」と、当時を思い出しながらつぶやくように言う飯島さん。「独立して１００％うまくいく保証はどこにもない。深く考えていたら独立なんてできなかったかもしれませんからね」と言います。

　独立した飯島さんは、特に広告を打つこともなく、次第にお客様が増えていきました。「人に恵まれていたんです」と飯島さん。会社員時代に築いたつながりから、紹介で仕事が広がっていったのだといいます。「本当に有難いと思っています」と言葉を続けます。

　板金塗装だけでなく、車検や車の販売も手掛けるという業務の広さは、「車に関することは何でも好きなんです」という飯島さんの心の表れです。

日々、業務に携わる中で「車もものすごい勢いで進化している、と感じている」と飯島さんは言います。新しい技術についていくべく、自分でインターネットを見たり書籍を購入したりして情報収集をしているそうです。

　経営者になって7年目を迎える飯島さん。会社員と経営者、両方の立場を経験したことで「両者の気持ちが分かることが良かった」と言います。経営者になって良かったと思うのは、自分のしたことがそのまま自分に返ってくること。ただし「良いことはいいのですが、そうでないことも当然返ってきますからね、そこは肝に銘じておかないと」と気を引き締めます。

　仕事をするときに大切にしているのは「目の前にあるのは預かった車である」ということ。預かりものだから誠心誠意を込めて大切に、喜んでもらえるよう、役に立てるよう、一生懸命力を出し切って望んでいると言います。

　そんな飯島さんの気分転換は、2人のお子さんと遊ぶこと。「伊勢崎は、公園が多いから、子どもと遊ぶには本当にいい」とニッコリ。普段は、散歩がてら近くの公園に、少し時間があるとみんなで華蔵寺公園や市民のもり公園へ。その時々に応じて、選べるだけの数とタイプがあるのはうれしい、と話す優しいパパでもあります。

有限会社JUN　BUNKIN

住所／伊勢崎市中町753－1

TEL／0270-25-9822

営業時間／9時～20時

事業内容／板金塗装、車検、など

◆アクセス：こちらをご覧ください

取材日　平成24年6月