“研究員がちょっと気になるもの”を紹介する、伊勢崎まちなか探訪研究室『いきさき、いせさき』、今回バス停10か所目は、『伊勢崎明治館』へのおでかけです♪
伊勢崎駅発のルートでは、「赤堀シャトル」、「あずまシャトル」、「東西シャトル」、「境シャトル」、「南部シャトル」、「波志江・赤堀連絡」の『大手町』もしくは『本町西』停留所が最寄りとなりますが… 駅からも徒歩10分程度と近いので、バスを待っている間に歩いて行けちゃう感じ(笑) 伊勢崎明治館は、明治時代に建てられたお医者さんだった建物を利用し、大正〜昭和にかけてたくさん織られた伊勢崎銘仙を展示している施設です。 靴を脱いで中に上がると、職員の方が案内して下さいました♪ 伊勢崎銘仙は、模様に合わせて染められた糸を織り上げる為、裏も表も同じ柄が出るのが特長なんだとか。 1階の和室に展示されていた銘仙は、絵画のように複雑な図案が織られ、その緻密さは、織物というよりも芸術品そのもの!
画像の赤系のお色の銘仙は、源氏絵巻なのだそうですが、こうした絵画のような銘仙を織れたのは、ほんのわずかな職人さんのみ… 限られた生産量なので、こうした意匠の銘仙を手にすることが出来るのは一部の裕福な方に限られていたようですが、生産される多くの銘仙は、もっとシンプルで落ち着いた柄で織られ、普段着として流通していたようです。 昭和初期には、456万反、県予算の3倍の生産高を誇り、売り上げの上位は、大阪、東京、京都などで、街ゆく人々の多くが伊勢崎銘仙をまとっていたのだとか。 ドラマ「カーネーション」や「花子とアン」などでも、登場人物が当時を再現し、銘仙を着ている様子が映し出されていたのだそうです♪ 2階にも展示があり、階段を上がっていくと、そこにはゴージャスなフリルがあしらわれたドレスが…!
このドレス、反物から“ピンワーク”という手法で作られていて、ピンを外すと、また反物に戻すことができるんですって! こうしたドレスは、実際に銘仙のファッションショーでモデルさんが着たりするのだそうですが、その時はピンではさすがに危ないので(笑)、糸で仮止めして、ショーが終わった後に糸を抜いて、反物に戻しているのだとか。 1階もそうですが、2階の奥の和室でもその時に応じたテーマで展示がされているとのことで、何度訪れても違う表情を見せてくれそうです♪
明治館の建物も、途中で一部リフォームされているそうですが、障子の桟が埃よけで傾斜がつけられていたり、欄間の組子細工が開閉できたり、お手洗いの天井に凝った意匠で換気口が設けられていたり、職員の方の説明がなければ気づかないような、細かな部分に、当時建築に携わった方々の技術力や、遊び心が見て取れる、奥深さがありました。 建築に興味がある方はきっと、明治館の中でも感激するポイントがあちこちで発見できることと思います。 私自身、実際に行って、職員さんに案内していただいて、話に聞くよりも多くのものを得られた印象でした。 この明治館と伊勢崎銘仙については、ここでこうして画面で見るよりも、実際にご覧いただく方がその素晴らしさが伝わるんじゃないかな?と思います。 今週末、Co-ラボisesakiでもイベントが開催されるので、アートやファッション、建築に興味をお持ちの方はぜひ、この伊勢崎明治館と伊勢崎銘仙の見学もご一緒に楽しんでいただき、伊勢崎の魅力を再発見してみてはいかがでしょうか?
『いきさき、いせさき』バックナンバーは随時追加となりますので、これからもご贔屓のほど、よろしくお願いいたします! 取材:2014年11月 Co-ラボisesaki・伊勢崎まちなか探訪研究員
Co-ラボisesakiでは、“「アナタの楽しい」を「ミンナの楽しい」に!”をキーワードに、様々な思い(研究)を、同じ思いを持った皆さん(研究員)と共に、共有すること(研究室)で形にしていくお手伝いをしています。 その中のひとつ、「Co-ラボisesaki・伊勢崎まちなか探訪研究室」では、普段あまり気に留めないようなニッチなポイントからも伊勢崎のまちの魅力を研究し、『いきさき、いせさき』として発信しています。 ※ご注意:本記事は上記の日付をもとに作成しています。実際の内容等について取材後に変更されている場合もありますので、お出かけ前に最新情報をご確認いただくことをおすすめします。また、記事と情報が異なる場合、imapは一切責任を負いませんのでご了承下さい。(記事と情報が異なる場合もありますので ご了承下さい。)
伊勢崎まちなか探訪研究室『いきさき、いせさき』