今回のいせさきふらっと観光は、波志江町にある伊勢崎市指定重要文化財『新宿の変形板碑』をご紹介したいと思います♪ 華蔵寺公園に近い伊勢崎大胡線の波志江町交差点から西へ約550m、『新宿の変形板碑』は新宿農業集落センターの隣にあります。 道路沿いにありますが、設置されている説明板に気付かなければ、ここに重要文化財があることもわからないくらい、ひっそりと存在しています。
説明板には『新宿の変形板碑』について、こう記されています。 伊勢崎市指定重要文化財 板碑(いたび)は板石製の卒塔婆(そとうば)で、青石と呼ばれる緑 明応二年(一四九三)は室町時代後期にあたります。 伊勢崎市指定重要文化財に指定されたのは今からおよそ半世紀前となりますが、刻まれた銘文によると、造られたのは530年以上前ということになります。 板碑は関東地方で多く分布しており、鎌倉時代の武士が所領とした地域で多く見られることから、武士の信仰に関連しているのではないかと考えられるようです。
新宿(あらじゅく)の変形板碑
昭和四十八年三月五日指定
泥片岩を産する秩父地方を中心に分布しています。この卒塔婆は板
石製でないところから変形板碑と呼ばれます。
塔身は安山岩製で高さ九三センチあり、頂部は三角形の山形を呈
し、縁部に約四センチの縁取りがあります。
塔身中央に、梵字(ぼんじ)アーンク(胎蔵界の大日如来)と蓮華座
が陰刻され、その下部に次のような銘文が刻まれています。
敬白
泰造立石仏一□
願主道□□
明応二年癸未七月廿八日
平成二十年三月一日
伊勢崎市教育委員会
この板碑に刻まれている「梵字」とは、古代インドのサンスクリット語が起源で仏教伝来と共に伝わり、その文字自体に神聖な力が宿るとされており、身近なところでは、お寺の御朱印や御位牌、卒塔婆などで目にすることが多いかと思います。 この『新宿の変形板碑』に刻まれているのは「アーンク(胎蔵界の大日如来)」、胎蔵界の大日如来は「宇宙の真理、無限の慈悲の広がり」を象徴していますが、この頃の板碑に大日如来が刻まれているのは珍しいとのこと。 『新宿の変形板碑』の周りにはいくつもの石仏などが、新宿農業集落センターの前には玉村町の八千矛神社から分祀された摩利支天が祀られているなど、昔の地域の人々の暮らしの中で大切な場所のひとつだったのではないでしょうか。 板碑という大変地味なスポットではありますが(笑)、いせさきの歴史や民族を知るにも貴重な歴史的資産なので、気になった方はぜひ、その歴史を調べてみたり、お出かけしてみてくださいね☆ 『新宿の変形板碑』 伊勢崎市波志江町1410番地(新宿農業集落センター隣り) 取材:2024年5月 Co-ラボisesaki・伊勢崎まちなか探訪研究員
Co-ラボisesakiでは、“「アナタの楽しい」を「ミンナの楽しい」に!”をキーワードに、様々な思い(研究)を、同じ思いを持った皆さん(研究員)と共に、共有すること(研究室)で形にしていくお手伝いをしています。 その中のひとつ、「Co-ラボisesaki・伊勢崎まちなか探訪研究室」では、伊勢崎のまちの魅力を研究し、より多くの方に訪れていただけるよう発信しています。 ※ご注意:本記事は上記の日付をもとに作成しています。実際の内容等について取材後に変更されている場合もありますので、お出かけ前に最新情報をご確認いただくことをおすすめします。また、記事と情報が異なる場合、imapは一切責任を負いませんのでご了承下さい。(記事と情報が異なる場合もありますので ご了承下さい。)
『いせさきふらっと観光』 from Co-ラボisesaki・伊勢崎まちなか探訪研究室