さまざまな色合いの花が景色を彩るようになり、春らしさも加速してきましたね! 今回の“研究員がちょっと気になるもの”を紹介する、伊勢崎まちなか探訪研究室『いきさき、いせさき』は、「伊勢崎の隠れた桜の名所」との声も聞かれる市内最大の前方後円墳、安堀町のお富士山古墳へおでかけしてまいりました♪
コミュニティバスあおぞらでこちらへ向かう場合は、伊勢崎駅北巡、波志江・赤堀・あずま連絡2ルートが通る「石井病院バス停」、伊勢崎駅北巡回ルートの「オートレース場前バス停」2つのバス停が最寄りとなります。 どちらも徒歩でおおよそ20分、軽くウォーキングを楽しむにはぴったりの距離ではないでしょうか? オートレース場対岸の広瀬川からちょっと奥まった場所にあるお富士山古墳は、こんもりとした小山に木々が生い茂り、「村の鎮守の神様の 今日はめでたいおまつり日〜」という『村祭り』の歌が聞こえてきそうな、そんな雰囲気が漂っています。 このお富士山古墳の“お富士山”というのは、この小山の中にある“富士神社(富士浅間神社)”から来ているものなんだとか。 参道となっている大きな鳥居から墳頂へと階段を上り、富士神社をお参り、そして、その傍らにある長持形石棺を見学してみたいと思います。
鳥居脇に設置されたお富士山古墳についての説明板によると、後円部は高さ9.5メートル、住宅でいうとおおよそ3階の高さのイメージでしょうか、階段があるとはいえ、お散歩ついでに気軽に寄りたくなる高さです♪ 墳頂では、オールドファッションド・タイプと表現したくなるような、細かなディテールが重厚感を醸し出している狛犬が出迎えてくれ、その先にはシャッターが閉じられた富士神社の拝殿がありました。 拝殿の前で手を合わせ、その奥に見える大きな窓が設けられた建物へと向かいます。
曇った窓越しに見学する立派な長持形石棺は、“畿内のヤマト王権を代表する大王の古墳などに用いられた”といい、お富士山古墳もきっと、この地で東国文化を繁栄させてきた有力者のものであったのでしょう。 長持形石棺は、県内では太田市の天神山古墳とこちらのお富士山と2点ほどしか確認されていないそうで、そのような大変貴重なものをこうして気軽に見学させてもらえる取り組みというのは、とても嬉しいものですね♪ そして、こちらのお富士山古墳にはユニークなポイントがあるそうで、前方後円墳の前方部が両毛線の開設の際に削り取られてしまっているのだとか。
両毛線の線路上に掛かるお富士山跨線橋から見ると、その様子もよくわかるとのことで、跨線橋の上からも眺めてみることにしました。
富士神社前からは近そうに見える跨線橋でしたが、線路の向こうへ行くためには踏切を通らなくてはならず、意外と近くて遠い(笑)!
跨線橋の端には“お富士山跨線橋”の看板があり、そこが線路をまたいでいることを示し、その下には“国鉄両毛線”のプレートが…! お富士山がよく見える場所まで歩いていくと、後円部が丸くふっくらと盛り上がり、線路が前方部を突き抜けている、ちょっと不思議な前方後円墳の姿がありました。
民営化から四半世紀以上、まさかこんなところで国鉄時代の名残と出会えるとは思いませんでした(笑)
今回、簡単なお富士山古墳の再現イメージイラストを作り、古墳の中をどのように電車が走っているのか写真と重ねてみましたが、線路は前方部を思いっきり斜めに通り、あまりの大胆な突き抜けっぷりに、ここが古墳であることに気付かない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか(笑) 散策している中でたくさんの桜の木を確認できましたが、実際にお富士山古墳を訪れてみて、“隠れた桜の名所”と言われる理由がわかったような気がします♪ 暖かな春の日、いにしえのいせさきに思いを馳せながらお花見したり、鉄道好きな方でしたら桜並木の前を走る電車を写真に収めたり、ちいさなお花見スポットならではの楽しみ方で休日を過ごしてみてはいかがでしょうか?
『いきさき、いせさき』バックナンバー・最新記事は随時追加となりますので、これからも引き続きご贔屓のほど、よろしくお願いいたします! 取材:2016年3月 Co-ラボisesaki・伊勢崎まちなか探訪研究員
Co-ラボisesakiでは、“「アナタの楽しい」を「ミンナの楽しい」に!”をキーワードに、様々な思い(研究)を、同じ思いを持った皆さん(研究員)と共に、共有すること(研究室)で形にしていくお手伝いをしています。 その中のひとつ、「Co-ラボisesaki・伊勢崎まちなか探訪研究室」では、普段あまり気に留めないようなニッチなポイントからも伊勢崎のまちの魅力を研究し、『いきさき、いせさき』として発信しています。 ※ご注意:本記事は上記の日付をもとに作成しています。実際の内容等について取材後に変更されている場合もありますので、お出かけ前に最新情報をご確認いただくことをおすすめします。また、記事と情報が異なる場合、imapは一切責任を負いませんのでご了承下さい。(記事と情報が異なる場合もありますので ご了承下さい。)
伊勢崎まちなか探訪研究室『いきさき、いせさき』